剣道四段五段の筆記(学科)試験
岐阜県では剣道四段五段の筆記試験(学科試験)および受験資格は、 四段は三段を取得後、3年以上修業した者。五段は四段取得後4年以上修業した者。が条件です。日本剣道形は、初段が太刀の形1本目から5本目まで。二・三段は太刀の形1本目から7本目まで。四・五段太刀の形1本目から7本目まで及び小太刀の形3本となっています。
岐阜県は出題される問題がホームページに掲示される
学科審査は、事前にホームページなどで提示される5問を丸暗記します。岐阜県の学科試験問題は、こちらに提示試験日当日、5問の中から3問が出題されます。実技や形は合格したのに学科で不合格になるのは、珍しいことではありません。せっかく受験されるのであれば学科で落ちることが無いようにしっかり覚えておきましょう。
丸暗記するのが理想ですが一字一句間違えたらいけないということではなくニュアンスが合っていれば正解となります。筆記試験は都道府県によって方法が異なります。確認しておきましょう。
平成24年度からは、剣道社会体育指導員初級資格保有者である五段受験者は学科試験が免除されるようになりました。
問題 | 初段 | 二段・三段 | 四段・五段 |
---|---|---|---|
剣道の理念 | ○ | ○ | ○ |
剣道修練の心構え | ○ | ○ | ○ |
竹刀の構造および名称 | ○ | ○ | ○ |
打突の部位 | ○ | ○ | ○ |
有効打突の条件 | ○ | ○ | ○ |
退場となる禁止行為 | ○ | ○ | 剣道試合規則に定める諸禁止行為をあげよ○ |
反則行為 | ○ | ○ | ○ |
場外反則 | ○ | ○ | ○ |
足さばきの種類 | ○ | ○ | ○ |
す振りの効用 | ○ | ○ | |
切り返しの効用 | ○ | ○ | ○ |
しかけ技の種類 | ○ | ○ | |
日本剣道形を修練することの効果について述べよ | |||
打突の機会について述べよ | |||
守破離について述べよ |
以上のように出題範囲は、決まっています。
岐阜県は、初段・二段・三段・四段・五段の学科問題が事前にホームページに提示されます。提示された5問中から3問が出題されます。将来四段、五段と受けるのであれば全部覚えておいて損は、ありません。一度覚えれば多少は忘れても何年経っても覚えているものですし、1から勉強するより頭に入りやすいからです。
ただ岐阜県の中学生の場合は二段が最高ですし、高校生は三段が最高になるので四段を受験できるのは、早くても高校卒業後3年経ってからとなります。五段を受験できるのは、四段を取得して4年以上経ってからなので早くても20代後半が受験するタイミングとなります。
当日気をつけたいのは鉛筆や消しゴムを持っていくことです。問題は、紙きれ1枚に・・・・について述べよとか・・・について記せという出題となります。シーンと静まり返ったところで鉛筆の音がする中で一気に書き上げなければいけません。精神的に緊張します。木刀のかたが終わったら合格は、すぐそこです!頑張ってください。
四段・五段も5問中3問出題されます。初段や二段、三段の学科で出題された問題と同じ問題も出題されます。初段、二段、三段の内容を理解した段階で受験するのが望ましいです。
平成27年の場合以下の問題から出題されています。
- 「剣道の理念」について記せ、「剣道修錬の心構え」を記せ
- 有効打突の条件を細かく記せ
- 剣道試合規則に定める諸禁止行為を上げよ
- 「打突の機会」について述べよ。
- 守破離について述べよ。
平成30年は、以下が出題されています。
- 有効打突の条件
- 剣道試合規則に定める諸禁止行為をあげよ
- 日本剣道形を修練することの効果について述べよ
- 打突の機会にちてい述べよ
- 守破離についての述べよ
守破離について述べよ(模範解答例)
守破離(しゅはり)とは、剣道における修行の過程のあり方をしめしたものである。すなわち剣道の修行では初歩の段階では、先生の教えを忠実に守り
先生の真似をすることが大切である。次に修行の中期では、守の段階で身につけたものを土台として自己を発見し殻を破り力強く独立していかなければいならない。そして最後には、先生から離れ独自の境地を拓いて新しい一派を作り上げ想像の段階へと到達しなければならない
剣道試合規則に定める諸禁止行為をあげよ(模範解答例)
剣道試合規則によれば「・・・・の禁止行為を犯したものは負けとし相手に2本を与え退場を命ずる。」とあるがこれに該当する禁止行為は、薬物を保持、使用することである。
かた審判員または相手に対し非礼な言動をすることである。
「・・・・の行為をした場合は反則として2回犯した場合は、相手に1本を与える。
- 相手に足を掛けまたは払う。
- 相手を不当に場外に出す。
- 試合中に場外に出る。
- 自己の竹刀を落とす。
- 不当な中止要請をする
(上記のほかに次の解答を加えると良い)
- 相手に手をかけまたは抱え込む
- 相手の竹刀を握る、または自分の竹刀の刃部を握る
- 相手の竹刀を抱える
- 相手の肩に故意に竹刀をかける
- 倒れた時相手の攻撃に対応すること無くうつ伏せなどになる
- 故意に時間を空費する
- 不当なつば競り合いおよび打突をする
剣道試合規則によれば試合中場外へ出ることは反則とされているが場外へ出るとはどのような状態になることをいうのか記せ
- 片足が完全に境界線外に出る
- 倒れたとき身体の一部が境界線外に出る
- 境界線外において体の一部または竹刀で身体を支える
打突の機会について述べよ(模範解答例)
打突の機会は、相手が次のような状態にあるときである。
(1)出がしら
相手の出がしらは相手の意識が攻めや打突に集中していることから反対にこちらが攻撃を加える絶好の機会である
(2)引くところ
引くケースには、間をとるために引く場合と攻められて退く場合とがある。引いたときは、重心が後ろへ移動していて動作を起こしにくいときであり、さらに、攻め込まれて退いたときは上記の理由のほかに精神的動揺も加わるので一層攻撃の機会となる。
(3)わざの尽きたところ
相手のわざが尽きたところは体勢が崩れ、また緊張でゆるんだときでもあるので打突する機会である
(4)受け止めたところ
こちらの攻撃に対し、相手が応じわざで応じることができず、受け止めただけの場合は打突する機会である
(5)居ついたところ
相手が足さばきがなめらかに行えず居ついたところは打突する機会である
(6)息を吸うところ
相手が息を吸う時は、ただちに行動が起こせないときであるから打突する機会である
(7)心の動揺したところ
相手の心が動揺しているときは正常な判断ができず、また筋肉も硬直しているときであるので打突する機会である
有効打突の条件を細かく記せ
有効打突は、充実した気勢、適切な姿勢をもって、
竹刀の打突部位を刃筋正しく打突し、残心あるものとする。
なお、『刃筋正しく』とは、竹刀の打突方向と
刃部の向きが同一方向である場合とする。
また、次の場合は有効とすることができる。
- 竹刀を落とした者に、直ちに加えた打突。
- 一方が、場外に出ると同時に加えた打突。
- 倒れた者に、直ちに加えた打突。
ただし、次の場合は、有効打突としない。
- 有効打突が両者同時にあった場合(相打ち)
- 被打突者の剣先が、相手の上体前面に付いてその気勢、姿勢が充実していると判断した場合
日本剣道形を修練することの効果について述べよ
- 剣道の歴史と真髄に触れることができる。
- 剣道の理合とわざの基本が修得できる。
- 剣道の礼儀や作法が修得できる。
- 正しい構えや体さばきが修得できる。
- 正しい目付けが修得できる。
- 手の内の感覚がつかめる。
- 打突の機会(勝機)を知ることができる。
- 気勢が充実し、気位が高くなる。
三段→高校生
四段→大学生
五段→社会人
六段→剣道
七段→トップクラス